電気通信大学は2016年7月に、人と共生する汎用人工知能の実現を目指し、人工知能先端研究センター(AIX)を設立しました。学内のAI研究の更なる活性化を目的に定期的にセミナーを開催することに致しました。
第2回AIXセミナーを下記のように開催いたしますので、是非ご参加いただきますようお願い致します。
【日時】2018年3月19日(月)15:30 – 17:30
【場所】UECアライアンスセンター 100周年記念ホール
【対象】AIX連携企業・電気通信大学教職員・学生
※今回のみ他大学の学生も参加いただけます.
【参加】aix-info@ura.uec.ac.jp 宛に<ご所属・お名前・情報交換会参加の出欠>をご連絡ください
【講師】山川 宏(ドワンゴ人工知能研究所所長/NPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ代表)
【題目】「全脳アーキテクチャ」
【概要】現状で実現されている特化型人工知能の限界を超えて、人のように経験を通じて多様な問題を解決できる汎用人工知能の研究が次第に盛んになりつつある。汎用人工知能の重要な特徴は単に特化型AIを束ねただけでは実現できない、例外や未知の状況に対して創造的に対応する能力である。
全脳アーキテクチャという研究アプローチは2013年ごろに、国内の議論を通じて提案された汎用人工知能にいたるための研究アプローチである。ここでは「脳全体のアーキテクチャに学んで人のような汎用人工知能を創る(工学)」ことによりAIに汎用性をもたせると同時に人と自然にインタラクションを行いやすいAIを目指している。そしてNPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブでは、オープンプラットフォーム上でこれを共同開発することで汎用人工知能が皆の共有物になることを目指す、ことでこうした汎用人工知能が人類と調和することを目指している。本講演ではこうした活動全般についてお伝えさせて頂くとともにさらに議論を行いたい。
【講師】倉重 宏樹(情報理工学研究科 特任研究員)
【題目】「様々な認知機能間の関係を脳のネットワーク構造から分析する」
【概要】人と同様の,あるいは人を超えた機能を持つ人工知能の実現には,人が持つ認知機能がいかなるものであるかを知ることが必要である.脳の機能局在性は人の認知を多数のモジュールに分けて考えることが可能なことを示している.その一方,人の複雑な認知はそれらの認知機能モジュールが複雑に関係しあうことで創発すると考えられる.本講演では,種々の認知機能間の関係性を大規模メタ分析データベース解析と脳ネットワーク解析を融合した手法により明らかにする試みを紹介する.認知機能同士がどのように依存しあっているか,認知機能の下位認知機能への分解や上位認知機能への統合はどのようになされるか等を示した解析から,神経科学研究がどのように人工知能開発に寄与しうるかを議論したい.
※セミナー終了後、情報交換会(会費制/連携企業・教職員:2000円、学生:500円)を開催します。
問い合わせ先: aix-info@ura.uec.ac.jp